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宮澤佐江ロングインタビュー

「Documentary of AKB48 show must go on ~少女たちは傷つきながら夢を見る~」には
DVD特典映像として、各メンバーのロングインタビューが含まれていました。


SNH48へ移籍することが決まる前のインタビューです。
彼女のAKB内の自分のポジションに対する焦りや、思いがこの時期から語られています。
彼女がどういう思いで、選抜常連という地位を捨ててまで
上海移籍を決断したのか、その根底にある思いを是非知っていただきたいです。

▶ 被災地支援活動
▶ DiVAでの活動について
▶ 選抜総選挙
▶ 終わりに




Interview of Sae Miyazawa from 
"Documentary of AKB48 show must go on"

被災地支援活動

(スタッフ)
(被災地訪問をして)みんな、自分たちが元気になったと言っていますが…

(宮澤)
それは本当に間違いないですね。
その街に住んでいる人みんなが来てくれたわけではないけれど、来れる人がある待ってくれて…
元気を届けるつもりで私たちは訪問しているのに、
すごい笑顔で歓迎してくれて、「みんながいてくれて元気に過ごせています」とか
子供の口からそんな事が聞けるなんて思わなかった。
「ありがとう」の言葉の大きさが、今回の3.11で、本当に大きいんだなと思いました。


(被災地の街並みを見て)言葉が口から出ないってこういうことを言うんだな…というか。
元々の陸前高田市の街並みを知らなかったというのは、正直ちゃんと勉強してから
行くべきだったなというのは反省点ではあったんですけど…
色んな人の話を聞いて、「ここで昔泳いでたんだよ」とか「ここにはたくさん木が生えていて」とか
「ここには普通の家があった」とか…全く想像できない環境でした。
ガラス窓が割れたままだったり、津波で巻き込まれて天井に引っかかってたシャツとかを見て
言葉が出てきませんでした。
陸前高田市の街を見て、一生懸命に祈る事しか出来なかったです。

本当にここ二年くらいで、昔と比べて180度くらい環境も自分の心境も変わったんですね。
祖母を亡くしたというのがきっかけだったんですが、命に関してはすごく考えるようになったというか…
生きていることに対してはすごく真剣になりましたね。



DiVAでの活動について

(宮澤)
また「1」にいる気がします。


AKB48としてはもう「1」にはいないというか、少しずつみんなで階段を上っているので
慣れてる部分もあるし、緊張する部分もまだあります。

でもDiVAの活動は、また「1」なので何もかもがドキドキするんですよね。
取材に関しても、少人数だけなので結構ドキドキしますし…
「DiVAの活動に関してどう思いますか?」と聞かれると、
あれもしたいしこれもしたいと思ってしまいます。
もしかしたら、今からでもこんなことが出来るんじゃないかっていう未来が
DiVAに居て見えているから楽しいんですよね、活動が。


自分たちの案を出してやることは達成感が倍になるんだということを今年本当に気づきました。
AKB48にいると、たくさんの人数がいるから何通りもの考えがあるわけですよ。
自分の考えが採用されるかっていったら、確率はすごい少ないから…
そこは自分が口出すところじゃないなというのは分かってるんです。

でもDiVAだと、4通りの意見だったらいくらでもやれるんじゃないかっていう希望が
自分の中で見えているから、今はすごいDiVAの活動が楽しいんだなって思います。


個々のお仕事をせずにAKB48のお仕事一本でやってきていましたし、
しかも最初にDiVAに対しては不安の気持ちの方が強かったんです。
だからこんなにも気持ちが走っていくとは思っていなかったのでビックリしています。


選抜総選挙

(宮澤)
頑張らなかったときって、考えてみたら無かったなって正直に思うんです。

私は色んなことを手を抜いてやったことはないし、
もしかしたらダンスも下手かもしれないし、歌だって下手かもしれないけど
でも今その時にできる一生懸命はステージの上ではやってきたと自分では思っています。
AKB48に入って、ステージの上で自分が歌って踊ってる事が楽しいって事が
本当に唯一自信が持てるところです。

自分が頑張っても選挙の順位が上がるわけでもないってことは分かってるし、
何かが足りないんだってことを、順位が上のメンバーと比べてすごく考えてます。


やっぱり辛いですね…総選挙
今まではあんまり考えないようにしようと思っていたんですけど、
自分って今難しい場所にいるんだなって思いました。
選抜メンバーだけど、その中でもやっぱり後ろの方になってしまうので。

それだと意味がないと自分でも思うし…
だけどそんなことを言ったら、選抜に入れなかった子は、「入れてるだけいいじゃん」と思うだろうし。
だから、その自分の位置をしっかり理解して、ちゃんと意思を持っていないと本当にぶれてしまう。
そこで、「もういいや」って思ってしまったら、自分がどんどん下がっていくのもすごく分かっています。

だから、「これだけは負けない」と思うものをちゃんと見つけて、詰めていかないと…。
せっかく自分の人生の一番楽しいときを、AKB48に今使っているので、
無駄にしたくないってすごく思います。



本当にファンの人がいるからこそ、なんですよ。
多分自分に応援してくれる人がいなかったら、私ここにいないと思うんですね。

というのも、元々は選抜メンバーに選ばれるような人間じゃなかったんです。
初めてAKB48が個別握手会をやったときは、本当にファンの人が来なくて…。
隣のレーンの人が来てくれたりしたので、「申し訳ない」と思いました。

すごく並んでいるメンバーを見て、「いいなぁ…」と思いながら、
全然自分にこなかった時代があるからこそ、
握手会で自分の目の前にたくさんの人が並んでくれていることが嬉しいんですね。
考えられないんですよ…自分のためだけにこんなに来てくれるということが。

だから、その人たちが居るから今の自分が居るということを伝えるために頑張らなきゃいけないんです。
でも、それが総選挙の順位かって言われたら違うと思うし、
今後の活躍かって言われたら、AKB48を卒業してからのことかもしれません。
だからこそ、今のファンの人たちを裏切らないようにすることを一生懸命考えます。

何を努力すればいいのか、分からなかったりするんです。正直。
でも自分はあんまり努力はしてないなということも、分かるんです。

(スタッフ)
でも努力はしてるんじゃないんですか?

(宮澤)
いや、何をやればいいか分からないって言ってる時点で努力してないなって思うんですよ。
だから…寝る間を惜しんでやらなきゃいけないこともいっぱいあるのかな、とも思うんですけど…。
めっちゃ考えますね。

次が怖いです。
自分が一緒に選抜で活動してきた中に、輝けてるメンバーがいるのも分かっているので。
どうやってそれを越せるようにするか、しっかりまた考えたいと思います。



終わりに
2011年は、後ろばっかりを振り向きすぎて、進もうとしてるのにまた後ろに下がってしまいました。
中々前に進めない状態だったので、前を向いてしっかり歩んで、
土台をしっかり2012年で作って、2013年からを自分の年に出来るように、本気なんです。